高次脳機能障害

HBD

高次脳機能障害とは

「高次脳機能障害」とは、脳の前頭葉や頭頂葉の損傷や疾患によって引き起こされる認知機能の障害です。高次機能とは、思考、判断、問題解決、言語理解、記憶、集中力、意欲などの能力を指します。これらの機能が低下したり制約されたりすることによって、日常生活の活動や社会的な関与に困難を抱えることがあります。

高次脳機能障害は、軽い意識障害である「せん妄」や、「認知症」と間違えられるケースがあります。病院などでの診察や入院生活よりも、学校や職場などの日常生活で現れやすく、外見上は目立たないため、医療スタッフが気づかなかったり、本人も認識できないという特徴があります。

高次脳機能障害は、脳の損傷や疾患によって引き起こされるため、原因や治療法は症状や個人の状況によって異なります。早期の診断と適切なリハビリテーションの導入により、患者の機能回復や日常生活への適応を促すことができます。総合的なアプローチを取り、患者や家族のサポートを含めたケアが重要です。

高次脳機能障害の原因

高次脳機能障害の原因は多岐にわたります。主な原因の一つは、脳の損傷や疾患です。脳損傷は外傷性脳損傷や脳卒中、脳腫瘍などが原因となります。また、神経変性疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病)、脳血管障害、感染症、薬物の副作用なども高次脳機能障害を引き起こす可能性があります。

また、発達障害や精神疾患(統合失調症、うつ病、双極性障害)も高次脳機能障害の原因となることがあります。これらの疾患は、脳の機能や神経伝達物質のバランスに影響を与え、高次機能の低下や制約を引き起こすことがあります。

さらに、一時的な要因も高次脳機能障害を引き起こすことがあります。睡眠不足、ストレス、一時的な薬物の使用などが該当します。これらの要因は一時的な影響を与える場合もありますが、継続する場合には高次脳機能障害が発現する可能性があります。

高次脳機能障害の原因は個人によって異なるため、正確な原因の特定は難しい場合もあります。医療専門家は症状や検査結果を総合的に評価し、原因の特定や適切な治療計画の策定に努めます。早期の診断と適切なケアは、患者の機能回復や日常生活への適応を支援する上で重要な役割を果たします。

高次脳機能障害の(前兆)症状

高次脳機能障害では、以下のような症状が見られます。

注意力や集中力の低下

日常のタスクや会話に集中することが困難になり、散漫さや思考の飛躍が生じることがあります。

思考の柔軟性の減少

固定的な思考パターンや習慣に固執しやすくなり、柔軟性が低下します。

言語理解や表現の困難

文章の理解や文章を組み立てる能力が低下し、適切な言葉や表現を見つけることが難しくなる場合があります。

問題解決能力の低下

複雑な課題や情報の整理に困難を抱え、効果的な解決策を見つけることが難しくなる場合があります。

記憶力の低下

情報の保持や思い出すことが難しくなり、日常生活の中での忘れ物や予定の混乱が生じることがあります。

意欲や動機の減退

日常の活動に対する関心や興味が減少し、モチベーションの維持が困難になることがあります。

これらの症状や特徴が高次脳機能障害の前兆として現れる場合、早期の評価と適切なケアの導入が重要です。医療専門家が症状や特徴が高次脳機能障害の前兆として現れる場合、早期の評価と適切なケアの導入が重要です。医療専門家が個別の症状を評価し、患者の日常生活や認知機能への影響を判断します。これにより、適切な支援やリハビリテーションのプランを立てることができます。

また、高次脳機能障害の前兆は他の疾患やストレスなどの要因によっても引き起こされることがあります。そのため、他の医学的な問題や心理社会的な要素も考慮される必要があります。綿密な評価と適切な診断プロセスが行われることで、原因の特定や適切なサポートの提供が可能となります。

高次脳機能障害の前兆が現れた場合、早期の対応が重要です。家族や関係者は、注意力や思考の柔軟性の低下、言語理解や表現の困難、問題解決能力の低下、記憶力の低下、意欲や動機の減退などに気づき、早めに医療専門家に相談することをおすすめします。

高次脳機能障害の検査方法

高次脳機能障害の検査方法は、症状や状況によって異なる場合があります。以下に病院などの医療機関で行われる一般的な検査方法とそれぞれの目的をいくつか挙げます。

01. 神経心理学的評価

02. 脳画像検査

03. EEG(脳波検査)

04. 血液検査

神経心理学的評価

神経心理学的評価は、患者の認知機能を包括的に評価するために使用されます。様々なテストや課題を用いて、記憶、言語、注意、問題解決、情報処理などの領域を評価します。これにより、個々の認知機能の強さや弱さが明らかになります。

脳画像検査

脳画像検査は、脳の構造や機能に関する情報を提供します。病院で実施されるMRI(磁気共鳴画像法)やCTスキャン(コンピュータ断層撮影)などの画像検査は、脳の異常や損傷を確認するために使用されます。これにより、脳損傷や腫瘍、脳血管障害などが特定される場合があります。

EEG(脳波検査)

EEGは、脳の電気的な活動を測定するために使用されます。頭皮に電極を取り付け、脳の神経活動のパターンや異常を記録します。この検査は、てんかんや脳疾患に関連する異常な活動を検出するのに役立ちます。

血液検査

血液検査は、高次脳機能障害に関連する他の病状や原因を排除するために行われます。血液中の特定の物質やバイオマーカーの検査により、感染症、代謝異常、薬物の影響などを評価します。

これらの検査方法は、高次脳機能障害の評価や原因の特定に役立ちます。医師は、患者の症状や状況に基づいて適切な検査を選択し、結果を総合的に評価します。これにより、適切な診断と治療計画の策定が可能となります。

高次脳機能障害の治療方法

高次脳機能障害の治療では、症状や機能の程度に合わせて以下の治療が実施されます。

01. 環境の適応

02. 認知リハビリテーション

03. リハビリテーション

環境の適応

環境の適応では、障害者の日常生活や作業環境を調整することで、彼らの機能を最大限に活用することができます。例えば、情報の整理や注意喚起の手段を提供することで、彼らの認知負荷を減らすことができます。

認知リハビリテーション

認知リハビリテーションは、思考や判断力、問題解決能力を改善するためのトレーニングプログラムです。認知リハビリテーションでは、注意力、記憶、情報処理スキルの向上に焦点を当てることがあります。

リハビリテーション

リハビリテーションには、物理療法、作業療法、言語療法などが含まれます。物理療法は、筋力や運動機能を改善するための運動プログラムを提供します。作業療法は、日常生活のスキルや自己ケア能力の向上を支援します。言語療法は、コミュニケーションや言語の障害を改善するためのトレーニングを提供します。

当リハビリセンターにおける
高次脳機能障害のリハビリ

一般的な高次脳機能障害のリハビリ

高次脳機能障害の一般的なリハビリ方法には、認知リハビリテーション、物理療法、作業療法、言語療法などがあります。

認知リハビリテーションでは、思考力や情報処理能力の向上を促すためのトレーニングが行われます。物理療法は、運動能力や身体機能の改善を目指し、エクササイズやトレーニングが行われます。作業療法は、日常生活や意義のある活動に参加する能力を向上させるためのアプローチです。具体的なニーズに合わせて活動を選定し、自己ケア能力や社会的な関与を促進します。言語療法は、言語理解や表現の問題に対処するためのトレーニングとコミュニケーション戦略の提供を行います。

他にも、集中力と注意力のトレーニングや環境の適応、補助技術の活用などが重要です。これらのリハビリ方法は、患者の個別のニーズや症状に合わせてカスタマイズされます。リハビリの目標は、患者の独立性と日常生活の機能を最大限に回復し、生活の質を向上させることです。

継続的な支援とトレーニングを通じて、患者の認知機能や運動能力、言語スキル、社会的な参加を改善することが可能です。家族やケアプロバイダーへの教育とサポートも重要であり、彼らの理解と協力によってリハビリテーションの効果を最大化します。個々の患者に適した継続的な評価と調整を行いながら、最良の結果を実現するための支援体制が整えられます。

当リハビリセンターにおける高次脳機能障害のリハビリ

当リハビリセンターは、専門知識と他にない機能改善のための機器を兼ね備えたリハビリ施設です。高次脳機能障害の程度・症状には個人差がありますが、半側空間無視や失行、失認などといったお客様の改善されたいニーズに応えられるように努めております。施設における主な流れをご説明いたします。

  1. 電話、またはメールにてお問い合わせ
  2. 体験リハビリによるカウンセリング、動画撮影、全体の評価及びリハビリ
  3. 機能改善に向けた問題点や課題の整理
  4. 目標達成までのリハビリプラン、スケジュールの立案
  5. ニーズに合わせたリハビリ
  6. 再評価・目標への達成度確認
  7. 目標達成・ご卒業

当リハビリセンターは、介護保険で行うデイサービスや訪問リハビリ、医療保険で通われる病院、クリニックの外来リハビリなどと併用して利用することができます。
これら保険で行うリハビリと当リハビリセンターが行う保険外(自費)によるリハビリの違いとして下記が代表的です。

「維持ではなく改善」が目標

病院で毎日のようにリハビリを受けられていた方も、退院した後は多くの方が週1~2回、時間にしても1回30~40分程度と保険制度上では行える頻度、時間に制限が掛かってしまいます。

そのため、「リハビリの回数が少ない、時間が短い」と思われる方が多いのです。当社で行っている訪問リハビリにおいてもそのようなお声を多数いただきます。上記により提供する保険事業者側もどうしても目標設定が「現状維持」となってしまいます。

当リハビリセンターではお客様が本当に叶えたいことについて真剣に向き合っています。だからこそ1回90分と長時間によるリハビリを実践し、「何をどうすれば目標達成できるのか」を具体的にお伝えします。

専門のセラピストと最新テクノロジーを融合

当リハビリセンターでは、最新のテクノロジーを使用したリハビリを行っています。人間本来の身体活動には、お客様ご自身の意思が欠かせませんが、リハビリ専用の装着型サイボーグ(ロボット)により、脳で「イメージした動作」を繰り返し、「実際の動作」とリンクすることによってさらに脳からの電気信号を活発化していきます。

上記専用の機器として、筑波大学が開発したロボットスーツ HAL®(Hybrid Assistive Limb®)を導入しています。様々な活用方法があり、どのような状態においてもまずは試していただくことがお勧めです。症状や残存機能により、すぐに症状の改善が見られる場合もあれば、数回~数十回の仕様により長期的に改善することもあります。脳卒中を始めとした、脳・神経に関する疾患を患った方に対しての、後遺症改善の実績が豊富な国際的に最も評価されているリハビリロボットになります。

このように、当リハビリセンターでは理学療法士などセラピストの専門的な知識・経験・技術に加えテクノロジーを活用し、お客様が本来達成したい・できる能力を引き出すことを目指しています。是非、実績をご覧ください。

最後に

このように理学療法士(PT)や作業療法士(OT)のリハビリ専門の資格を持つセラピストと国際的に実績が豊富なロボットを組み合わせたリハビリが行える施設は日本ではまだまだ不足しています。大阪府では数えるだけしかなく、関西全域でみればこのような環境がない県もあります。

「もっとリハビリをして●●●がしたい!」等、ご病気により諦めてしまっていることに対しても希望を持っていただきたいと思います。特に、高次脳機能障害による後遺症では日常生活上の制限も増えてしまいます。

身体を動かす、活性化することで脳神経・身体全体へ良い影響を与えます。是非、当リハビリセンターで行っているリハビリを体感していただき、目指されている姿を目指していきましょう。

些細な事でもまずはご相談ください。いつでもお待ちしております。