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【堺市】CI療法で麻痺側の手を「使える手」に変える!

【堺市】CI療法で麻痺側の手を「使える手」に変える!

はじめに

こんにちは!

大阪府堺市中区大野芝町にある介護保険を使用しない完全自己負担型の自費リハビリで、脳梗塞・脳出血・脊髄損傷・パーキンソン病・指定難病など幅広い疾患に対応しており、ロボットリハビリや型にとらわれない最先端のリハビリを受ける事が出来る「脳神経リハビリHL堺」というリハビリセンターで勤務する理学療法士です!

脳卒中や脳性麻痺などで片麻痺を患った後、「もっと手を動かせるようになりたい」「退院後も集中的にリハビリを続けたい」と思っている方は少なくありません。
そんな方に知っていただきたいのが、CI療法(Constraint-Induced Movement Therapy:制約誘導運動療法)です。

このCI療法は、失われた上肢の機能を再び取り戻すために、非常に効果的な方法として国内外のリハビリ現場で注目されています。
今回は、CI療法の基本的な考え方から実施方法、注意点まで、できるだけ分かりやすくご紹介します。

目次

  • CI療法とは?
  • どのように行うのか?
  • どのような効果がある?
  • どんな人に向いている治療なのか?
  • 実施中の注意点

CI療法とは?

CI療法は、1990年代初めに開発されたリハビリテーションの手法で、主に脳卒中や脳性麻痺による片麻痺に対して行われます。
この方法の大きな特徴は、「あえて健康な手を使わずに、麻痺している手を集中的に使う」という点にあります。

脳卒中などの後、使いにくくなった手を無意識に避けてしまい、日常生活でもどんどん使わなくなる現象を「学習性不使用」といいます。
CI療法は、この学習性不使用を打ち破り、「使わなくなっていた手にもう一度活躍の場を与える」ことを目指します。

たとえば、健康な手をミトンやスリングであえて使えないようにして、麻痺している手で食事をしたり、服を着たりと日常生活に即した訓練を行います。

どのように行うのか?

CI療法は、通常2〜3週間にわたって行われ、1日あたり3〜6時間という長時間の集中訓練が特徴です。

リハビリの内容としては、ただ単に「手を動かす」のではなく、ペグボードを使った作業やタオルをたたむ、コップを持ち上げるといった日常生活に関係する課題を繰り返し行います。

訓練はセラピストの指導のもとで進められ、患者さんの状態に合わせて課題の内容やレベルが調整されます。
また、訓練時間外でも麻痺側の手をなるべく使うように促されるため、「リハビリ室の中だけで頑張る」のではなく、生活全体の中で「使う」ことが求められます。

どのような効果がある?

CI療法は、数多くの臨床研究でその効果が実証されています。
特に、脳卒中後の上肢機能の改善に関しては、日本の脳卒中治療ガイドラインにも推奨されている信頼性の高い療法です。

麻痺側の手を「ただ動かす」だけではなく、「日常生活の中で自立して使えるようにする」ことを目的としているため、日常生活の質(QOL)を高めるリハビリとして非常に有望です。

実際、CI療法を受けた患者さんの多くが、麻痺側の手でできる動作が増え、「自分の手を取り戻した」という実感を持たれることが多いです。

どんな人に向いている治療なのか?

CI療法は誰でも受けられるというわけではありません。
安全で効果的に行うためには、いくつかの条件を満たしている必要があります。

まず、麻痺している手にある程度の動きが残っていることが大前提です。
全く動かない状態では、この療法の効果が出にくくなります。

また、認知機能が保たれており、セラピストの指示に従えることも重要です。
長時間の訓練に取り組むためには、集中力や理解力も必要となります。

さらに、全身状態が安定していることも条件のひとつ。
例えば、心疾患や高血圧などがコントロールされていない場合は、まずそれらの治療を優先する必要があります。

実施中の注意点

CI療法は「集中的に訓練すること」が前提となるため、体力的・精神的にハードな面もあります。
特に初めの数日は疲労感が強く出ることもあるため、適度な休息を取りながら無理なく進めていくことが大切です。

また、非麻痺側の手を使えない状態が続くため、日常生活での不便を感じることがあります。
歯磨き、トイレ、食事などに支障が出る可能性もあるため、事前に環境を整えたり、家族のサポートを得たりすることが望まれます。

肩の痛みや筋緊張の増加といった副作用が出ることもありますが、そういった場合はすぐにセラピストに相談してください。
適切な対策を講じることで、安全かつ効果的に続けられます。

まとめ

CI療法は、麻痺側の手を再び「使える手」に戻すための非常に効果的なリハビリ手法です。
健康な手をあえて使わずに麻痺側の手に意識を集中させるこの訓練は、最初は大変に感じるかもしれませんが、継続することで確かな成果が期待できます。

「退院後も前向きにリハビリを続けたい」「もっと手を使えるようになりたい」と考えている方にとって、CI療法は大きな助けとなる可能性があります。

もしこの療法にご興味がある方は、まずは専門のリハビリ施設に相談してみてください。
一歩踏み出すことで、できることがきっと増えていきます。

お問い合わせ

  • 【堺市中区】脳神経リハビリHL堺に、お気軽にお問い合わせください!
    TEL:072-349-7303
池田

執筆者:池田

理学療法士

理学療法士の池田です。
2018年に理学療法士免許を取得し大学を卒業後、回復期病院のリハビリテーション病棟にて勤務。2021年に急性期病院の脳外科病棟にて勤務。2022年に訪問リハビリにて勤務。2025年より脳神経リハビリHL堺にて勤務となります。
回復期病院では、疾患の知識や治療技術の勉強に励み、外部研修に積極的に参加。
急性期病院では、脳外科病棟にて勤務。脳血管疾患のリハビリに従事し、発症間もなくの患者様の回復状況を予測する為の研究に参加。
訪問リハビリでは、日常生活状況に合わせたリハビリや住宅環境の相談など介入。
リハビリでは、本人様にとって安心して出来る日常生活動作を増やして行くと共に、特に歩ける生活を大事にしたいと考えます。よりよい生活が送れるように全力で援助をさせて頂きます。