お知らせ

Info

脳血管疾患とハンマートゥ

脳血管疾患とハンマートゥ

はじめに

脳血管疾患(脳卒中)後のリハビリに取り組む皆様にとって、足のケアは非常に重要です。
特にハンマートゥと呼ばれる足指の変形は、リハビリの進行を妨げるだけでなく、日常生活にも大きな影響を与える可能性があります。

当施設における関連動画はこちらです

目次

  • ハンマートゥとは?
  • ハンマートゥの原因
  • ハンマートゥの症状
  • 脳血管疾患とハンマートゥの関係
  • ハンマートゥの治療法

ハンマートゥとは?

ハンマートゥとは、足の指、特に第2趾から第5趾にかけて見られる変形のことです。
具体的には、指の関節が曲がり、まるでハンマーのような形になります。
この変形は、足の筋肉や腱のバランスが崩れることで起こります。

ハンマートゥの原因

ハンマートゥの主な原因としては、不適切な靴の着用、足の疾患、そして脳血管疾患が挙げられます。
先端が細い靴やハイヒールは、足指に過度な圧力をかけ、変形を招くことがあります。
また、外反母趾や扁平足など足の構造的な問題もハンマートゥの原因となります。
さらに、脳卒中後の筋肉の麻痺や痙縮も、足指の変形を引き起こすことがあります。

ハンマートゥの症状

ハンマートゥの主な症状としては、足指の関節の曲がり、靴に当たることによる痛み、タコやマメの形成、そして進行すると指が固まり、動かせなくなることが挙げられます。

脳血管疾患とハンマートゥの関係

脳血管疾患、特に脳卒中は、ハンマートゥの発症に深く関わっています。
脳卒中によって脳の運動神経が損傷すると、足の筋肉をコントロールすることが難しくなります。
その結果、筋肉のバランスが崩れ、足指が異常な形に変形してしまうのです。

筋肉の不均衡
脳卒中後、筋肉の麻痺や痙縮が起こると足の筋肉のバランスが崩れます。
特に麻痺側の足指は過剰に収縮しやすく、ハンマートゥやクロートゥといった変形を引き起こすことがあります。

痛みと歩行困難
ハンマートゥが進行すると歩行時に痛みを感じることが多くなります。
また、足指で地面を蹴る動作が難しくなり、歩行速度が低下することもあります。

脳卒中後の筋肉の不均衡と全身への影響
脳卒中による筋肉の不均衡は、足だけでなく、全身に様々な影響を及ぼします。
麻痺側の筋肉は筋力が低下しやすく、これが全身のバランスを崩します。
また、筋肉の不均衡は関節の動きを制限し、拘縮を引き起こすことがあります。
さらに、筋肉の不均衡は、姿勢の維持を困難にし、歩行時のバランスを悪化させます。
特に、麻痺側の足の筋力低下は、転倒のリスクを高めます。
足の筋肉の不均衡は体幹や上肢にも影響を及ぼし、例えば、足の筋肉が弱いと体幹の筋肉が過剰に働き、肩や背中の痛みを引き起こすことがあります。
脳卒中後の筋肉の不均衡を改善するためには、リハビリテーションが不可欠です。
適切な運動療法やストレッチを行うことで、筋肉のバランスを回復し、全身の機能を向上させることができます。

ハンマートゥの治療法

ハンマートゥの治療法は、変形の進行度によって異なります。
初期段階では、適切な靴の選択、足指のストレッチ、装具の使用が推奨されます。
変形が進行した場合は、手術が必要になることもあります。
脳卒中後のリハビリテーションは、ハンマートゥの改善において非常に重要です。
適切な運動療法や足のケアを行うことで、筋肉のバランスを回復し、足指の機能を改善することができます。

まとめ

脳血管疾患後のハンマートゥは、足の機能や動きに大きな影響を与える可能性があります。
早期の診断と適切なリハビリテーション、そして日々の足のケアが重要です。
リハビリ専門家と連携しながら、足の健康を守り、快適な日常生活を取り戻しましょう。

池田

執筆者:池田

理学療法士

理学療法士の池田です。
2018年に理学療法士免許を取得し大学を卒業後、回復期病院のリハビリテーション病棟にて勤務。2021年に急性期病院の脳外科病棟にて勤務。2022年に訪問リハビリにて勤務。2025年より脳神経リハビリHL堺にて勤務となります。
回復期病院では、疾患の知識や治療技術の勉強に励み、外部研修に積極的に参加。
急性期病院では、脳外科病棟にて勤務。脳血管疾患のリハビリに従事し、発症間もなくの患者様の回復状況を予測する為の研究に参加。
訪問リハビリでは、日常生活状況に合わせたリハビリや住宅環境の相談など介入。
リハビリでは、本人様にとって安心して出来る日常生活動作を増やして行くと共に、特に歩ける生活を大事にしたいと考えます。よりよい生活が送れるように全力で援助をさせて頂きます。