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装具療法とは?リハビリにおける役割と効果

装具療法とは?リハビリにおける役割と効果

はじめに

脳卒中などの病気やケガの後、運動機能が低下する事で日常生活にさまざまな支障が出ます。
その際、リハビリの一環として「装具療法」が行われることがあります。
装具療法とは、特殊な器具を用いて関節や筋肉の動きを補助し歩行や姿勢の改善を目指す治療法です。
本記事では、装具療法の目的や種類、具体的な効果について詳しく解説していきます。

目次

  • 装具療法の目的
  • 装具の種類とその特徴
  • 装具療法の効果
  • 最新技術「T-Support」とは?
  • 当施設における取り組み

装具療法の目的

装具療法の最大の目的は、運動機能を改善してより良い生活を送れるようにすることです。
特に脳卒中後のリハビリでは、装具の使用が回復をサポートする重要な役割を果たします。

  • 装具は麻痺して動かしにくくなった手足を支えることで歩行や立位の安定性を高めます。
  • 足首の動きを補助する装具を使う事で転倒のリスクが減り、自信を持って歩けるようになります。
  • 関節への負担を軽減し、無理な動きを防ぐことで二次的なケガを予防する効果も期待できます。
  • 装具は理学療法と併用することで効率的なリハビリを可能にします。

適切な装具を使用する事で、理学療法の運動メニューをスムーズに実施できるため、回復のスピードが上がることが報告されています。

装具の種類とその特徴

装具にはさまざまな種類があり、患者の状態に合わせて選択されます。
代表的な装具を以下に紹介します。

  • 短下肢装具

    短下肢装具は、足首の安定性を高めるための装具で、特に「尖足(つま先が下がってしまう状態)」や「内反足(足が内側に傾く状態)」の患者に適しています。
    この装具を着けることで、足の動きがスムーズになり、より安全な歩行が可能になります。

  • 長下肢装具

    長下肢装具は、膝から足首までをサポートする装具で、より重度の麻痺がある患者に適しています。
    関節の動きを調整しながら適切な刺激を脳に伝えることで、より自然な歩行動作を促します。
    特に膝折れ(膝が不安定で曲がってしまう状態)の予防に効果があります。

  • カスタムメイド装具

    カスタムメイド装具は、患者の個々の状態に合わせて特別に設計された装具です。
    既製品では対応しきれない細かい調整が可能で、より効果的に運動機能を補助できます。
    特に体型や障害の程度が異なる患者にとって、オーダーメイドの装具は大きな助けとなります。

装具療法の効果

装具を使用することで以下のような効果が期待されます。

  • 装具を適切に使用する事で、足の動きが補助されるため、転倒のリスクが減少して安全に歩けるようになります。
    歩行に必要な筋力を徐々に回復させる手助けとなるため、リハビリの進行をスムーズにします。
  • 装具は機能的な動作を改善し日常生活での動作効率を向上させます。
    歩行速度が上がったり、長距離を歩けるようになったりすることで生活の幅が広がります。
  • 装具を使うことで関節や筋肉の負担が軽減され、長期間にわたる運動機能の維持が可能になります。
    リハビリの効果が持続しやすくなるため、装具療法は非常に重要な役割を果たします。

最新技術「T-Support」とは?

以前、ある学会に参加した際に、非常に興味深い講演をされていた理学療法士の先生と出会いました。
その講演では、脳血管疾患に対するリハビリがテーマとなっており、「T-Support」について知る機会がありましたので、ご紹介します。

近年、装具療法の分野では「T-Support」という新しい技術が注目されています。
T-Supportは、体幹を安定させるベストと弾性バンドを組み合わせた画期的な装具で、脳卒中後の片麻痺患者の歩行をサポートします。

この装具の最大の特徴は、歩行時の姿勢を補助しながら、足の振り出しをスムーズにすることです。
従来の装具では難しかった体幹の安定性を向上させることで、より自然な歩行が可能になります。
また、装着後の歩行訓練を継続することで、装具を外した後も歩行能力が改善される「持ち越し効果」が期待できる点も、大きなメリットです。

T-Supportは、宝塚リハビリテーション病院と川村義肢株式会社の共同開発によって生まれました。
従来の長下肢装具ではカバーしきれなかった歩行時の股関節伸展やスイング動作を補助し、より効果的なリハビリを実現しています。
ご興味のある方は、ぜひ検索していただければと思います。

当施設における取り組み

当施設では、歩行姿勢の改善を目的としたリハビリに力を入れています。
特に、ゴムバンドを使用した足の振り出し練習を積極的に行い、歩行姿勢や歩行速度の改善が見られています。
患者様が当たり前に歩ける生活を取り戻せるよう、引き続き支援を続けていきます。

まとめ

装具療法は、脳卒中や脊髄損傷などの疾患後のリハビリにおいて、運動機能を補助し、日常生活の質を向上させる重要な治療法です。
短下肢装具や長下肢装具、カスタムメイド装具などのさまざまな種類の装具があり、状態に応じて選択されます。

特に最新のT-Supportは、体幹の安定性を高め、より自然な歩行を促す画期的な技術として注目されています。
また、当施設では、ゴムバンドを使用した足の振り出し練習を取り入れ、歩行姿勢や歩行速度の改善に努めています。

リハビリを成功させるためには、自分に合った装具を選び、理学療法士と相談しながら継続的に使用することが大切です。
装具療法を上手に取り入れ、より良い生活を目指していきましょう。

池田

執筆者:池田

理学療法士

理学療法士の池田です。
2018年に理学療法士免許を取得し大学を卒業後、回復期病院のリハビリテーション病棟にて勤務。2021年に急性期病院の脳外科病棟にて勤務。2022年に訪問リハビリにて勤務。2025年より脳神経リハビリHL堺にて勤務となります。
回復期病院では、疾患の知識や治療技術の勉強に励み、外部研修に積極的に参加。
急性期病院では、脳外科病棟にて勤務。脳血管疾患のリハビリに従事し、発症間もなくの患者様の回復状況を予測する為の研究に参加。
訪問リハビリでは、日常生活状況に合わせたリハビリや住宅環境の相談など介入。
リハビリでは、本人様にとって安心して出来る日常生活動作を増やして行くと共に、特に歩ける生活を大事にしたいと考えます。よりよい生活が送れるように全力で援助をさせて頂きます。