お知らせ

Info

知られざる脳卒中の原因と予防法

知られざる脳卒中の原因と予防法

はじめに

脳卒中は突然訪れる恐ろしい病気ですが、その原因や予防法についてはまだまだ知られていないことが多いです。
日常生活の中に隠れた脳卒中のリスク要因や簡単に実践できる予防法があるのをご存知でしょうか?
この記事では脳卒中の知られざる原因を解明し、今日から始められる効果的な予防策について詳しくご紹介します。

目次

  • 脳卒中とは?
    1-1 脳卒中の基本概念
    1-2 種類と特徴
  • 知られざる原因
    2-1 隠れたリスク要因
  • 予防法
    3-1 生活習慣の改善
    3-2 バランスの取れた食事
    3-3 定期的な運動
  • まとめ

脳卒中とは?

1-1 脳卒中の基本概念
脳卒中は、脳の血流が突然途絶え、脳細胞が死滅する病気です。
血流が途絶える原因には、血管の詰まり(脳梗塞)と血管の破裂(脳出血)があります。
脳卒中は迅速な対応が求められる緊急事態で、治療が遅れると重篤な後遺症を残すことがあります。
早期発見と適切な治療が不可欠であり、発症後のゴールデンタイム(約4.5時間以内)に治療を開始することが重要です。

脳卒中は、高齢者だけでなく、若年層にも発症する可能性があるため、年齢を問わず注意が必要です。
症状としては、突然の片側の手足の麻痺、言語障害、視覚障害、めまいなどが挙げられます。これらの症状が現れた場合、すぐに医療機関を受診することが重要です。

1-2 種類と特徴
脳卒中には大きく分けて3つの種類があります。それぞれの種類には特徴があり、発症のメカニズムも異なります。

  • 脳梗塞
    脳梗塞は、脳の血管が血栓や動脈硬化によって詰まり、血流が途絶えることで発生します。
    脳卒中の中で最も一般的なタイプであり、全脳卒中の約80%を占めます。脳梗塞には以下の3つのサブタイプがあります。

    アテローム血栓性脳梗塞: 動脈硬化によって血管が狭くなり、その部分に血栓が形成されることで発生します。高血圧や高コレステロールが主な原因です。
    心原性脳塞栓症: 心臓で形成された血栓が血流に乗って脳に運ばれ、脳の血管を塞ぐことで発生します。心房細動などの心疾患が関係しています。
    ラクナ梗塞: 脳の深部の細い血管が詰まることで発生します。高血圧が主な原因とされています。

  • 脳出血
    脳出血は、脳の血管が破裂して出血することで発生します。
    血管の破裂によって血液が脳内に漏れ出し、脳組織に圧力をかけるため、脳の機能に重大な影響を与えます。
    高血圧が主な原因とされており、特に中高年の男性に多く見られます。
  • くも膜下出血
    くも膜下出血は、脳を覆うくも膜と脳表面の間にある血管が破裂して出血する状態です。
    最も多い原因は脳動脈瘤の破裂で、突然の激しい頭痛が特徴です。
    発症率は低いですが、非常に重篤で即座に医療処置が必要です。

知られざる原因

2-1 隠れたリスク要因
脳卒中のリスク要因には、一般的に知られている高血圧、糖尿病、高コレステロールの他に以下のような隠れたリスク要因があります。

  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
    睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に一時的に呼吸が止まる状態で血中酸素濃度の低下や血圧の上昇を引き起こします。
    これにより、心血管系に負担がかかり、脳卒中のリスクが増大します。
  • 慢性的なストレス
    慢性的なストレスは血圧を上昇させ、血糖値の調整を乱す要因となります。
    また、ストレスホルモンであるコルチゾールの分泌が増えることで、動脈硬化を促進し、脳卒中のリスクを高めます。
  • アルコールの過剰摂取
    適量のアルコールは健康に良いとされていますが、過剰摂取は逆効果です。
    長期的な過剰摂取は高血圧や肥満を引き起こし、これが脳卒中のリスクを高めます。
  • 不規則な生活リズム
    不規則な生活リズム、特に睡眠不足や昼夜逆転は体内のホルモンバランスを崩し、血圧や血糖値の調整を難しくします。
    これにより、脳卒中のリスクが増加します。

予防法

3-1 生活習慣の改善
生活習慣の改善は脳卒中の予防において最も効果的な方法の一つです。
以下に、具体的な改善方法を挙げます。

  • 禁煙
    喫煙は動脈硬化を進行させ、脳卒中のリスクを大幅に高めます。
    禁煙することで血管の健康を保ち、脳卒中の予防につながります。
  • 適度な飲酒
    適度な飲酒は健康に良いとされますが、過剰摂取は逆効果です。
    適量を守り、飲み過ぎないようにしましょう。
  • ストレス管理
    ストレスは脳卒中のリスクを高める要因となります。
    リラックスする時間を持ち、趣味や運動を通じてストレスを発散することが重要です。
  • 定期的な健康診断
    定期的な健康診断を受けることで早期にリスク要因を発見し、適切な対策を講じることができます。
    特に高血圧や糖尿病の早期発見が重要です。

3-2 バランスの取れた食事
食事は脳卒中の予防において重要な役割を果たします。
以下に、バランスの取れた食事のポイントを紹介します。

  • 野菜と果物を多く摂る
    野菜や果物にはビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれており、血圧のコントロールや動脈硬化の予防に役立ちます。
    カリウムを多く含むバナナやほうれん草は血圧を下げる効果があります。
  • 減塩
    塩分の摂り過ぎは高血圧の原因となります。
    食事の塩分を控えめにし、調味料や加工食品の使用を控えることで、血圧を正常に保つことができます。
  • 脂質の質に気をつける
    飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の摂取を控え、不飽和脂肪酸を多く含む食品を選びましょう。
    オリーブオイルや魚油に含まれるオメガ3脂肪酸は、動脈硬化の予防に効果的です。
  • 食物繊維を多く摂る
    食物繊維は血糖値やコレステロール値を調整する働きがあります。
    全粒穀物や豆類、ナッツなどを積極的に摂取しましょう。

3-3 定期的な運動
運動は脳卒中の予防において非常に重要です。
以下に、運動の具体的な効果と推奨される運動習慣を紹介します。

  • 運動の効果
    定期的な運動は血圧を下げ、心肺機能を向上させる効果があります。
    体重管理にも役立ち肥満を防ぐことで脳卒中のリスクを減らすことができます。
  • 有酸素運動
    ウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動は心肺機能を高め全身の血流を良くする効果があります。
    週に150分程度の中程度の有酸素運動を目標にしましょう。
  • 筋力トレーニング
    筋力トレーニングは基礎代謝を上げ、体脂肪の減少を促進します。
    特に下半身の筋力を鍛えることは、日常生活の活動を支える上で重要です。
  • 柔軟性とバランス運動
    柔軟性を高めるストレッチやバランスを向上させるヨガや太極拳なども取り入れることで、全身の健康を維持することができます。

まとめ

脳卒中は誰にでも起こりうる病気であり、その予防には日々の生活習慣の改善が重要です。
高血圧や糖尿病などのリスク要因を管理し、バランスの取れた食事と定期的な運動を心がけることで、脳卒中のリスクを大幅に減らすことができます。
また、ストレス管理や禁煙、適度な飲酒なども大切です。

脳卒中の予防には自分自身の健康状態をよく理解し、適切な対策を講じることが必要です。
定期的な健康診断を受けることで、早期にリスク要因を発見し、適切な治療を行うことができます。
日常生活の中で健康的な選択を積み重ね、脳卒中を遠ざけるための意識を高めていきましょう。

安原

執筆者:安原

施設長/理学療法士

施設長の安原です。
2019年に理学療法士免許を取得し大学卒業後、回復期病院と訪問リハビリで整形疾患や脳血管疾患を中心に経験し現在に至ります。
回復期病院では疾患の知識、治療技術の勉強(SJF、PNF、筋膜etc)に励み、チームリーダーや副主任を経験。
訪問リハビリでは在宅での日常生活動作を中心に介入しする。
一人ひとりの回復に対して集中して介入したいと思い、2023年9月から脳神経リハビリHL堺に勤務。
希望や悩みに対して寄り添い、目標とするゴールに向けて一緒に歩んでいければと思っています。