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梅雨の季節に気をつけたい転倒予防 〜雨の日も安全にリハビリを続けるために〜

梅雨の季節に気をつけたい転倒予防 〜雨の日も安全にリハビリを続けるために〜

はじめに

6月に入り、雨が続く梅雨の季節がやってきました。
この時期は、私たちの日常生活や外出の計画にも影響を与えがちですが、特にご高齢の方や運動機能に不安を抱える方にとっては、転倒のリスクが高まる時期でもあります。

湿気や雨によって滑りやすくなった路面や足元の見えづらさ、気圧の変化に伴う体調不良など。
梅雨ならではのリスクを理解し、適切な対策を講じることが、日々の安全を守るために非常に大切です。

ここでは、リハビリを継続中の方や退院後の在宅生活を送っている方に向けて、梅雨時期の転倒予防や運動継続のためのポイントをご紹介します。

目次

  • 梅雨の時期に増える転倒事故の原因とは?
  • 日常生活でできる転倒予防の工夫
  • 雨の日でも無理なく続けるリハビリの工夫
  • 安全第一で、無理のないリハビリを

梅雨の時期に増える転倒事故の原因とは?

雨が続くと、「ちょっと買い物に出かけただけなのに足元が滑った」「玄関のタイルで転びそうになった」という声をよく耳にします。
転倒にはさまざまな要因がありますが、梅雨の時期に特有のものとして、以下のような環境要因が挙げられます。

まず、濡れた路面や床面の滑りやすさです。
アスファルトやタイル、濡れた階段などは、見た目以上に滑りやすく、杖や歩行器を使っている方にとっては大きなリスクになります。
また、屋内でも、濡れた靴で入った玄関や浴室・キッチンの床が滑る原因になります。

次に、視界の悪化
曇りや雨で周囲が暗くなり、足元や段差の認識が遅れやすくなります。
特に高齢者は、視覚情報への依存度が高いため、こうした小さな変化が大きな事故につながることがあります。

加えて、低気圧の影響による自律神経の乱れや筋緊張の変化が起こることもあります。
これは、脳卒中後や神経障害を持つ方にとって、身体バランスのコントロールに影響を与える要因となります。

日常生活でできる転倒予防の工夫

では、梅雨の時期にどのような点に気をつければ、転倒を予防できるのでしょうか?
ここでは、すぐに実践できるポイントをいくつかご紹介します。

まずは靴の選び方。
滑りにくい靴底で、足にしっかりフィットする靴を選びましょう。
サンダルやスリッパは不安定で、滑りやすいので避けることが望ましいです。
雨の日には、防水性のある靴や滑り止め付きの長靴も有効です。

外出の時間帯にも注意が必要です。
雨のピーク時間帯を避け、できるだけ明るく見通しの良い時間に行動するようにしましょう。
傘を差すときは、片手がふさがれるため、体のバランスが崩れやすくなります。
両手を使えるよう、レインコートの着用も検討してみてください。

また、屋内での安全対策も欠かせません。
玄関マットの設置や浴室の滑り止めマット、手すりの活用など、日常生活動作の中で転倒しやすいポイントを見直すことが大切です。
床に敷いた新聞紙や濡れた雑巾も、滑りの原因になりますので、見つけ次第すぐに片付けましょう。

雨の日でも無理なく続けるリハビリの工夫

雨が続くと、外出する気力が落ちてしまったり、通所リハビリを控えてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、「動かない」時間が長くなることで、筋力やバランス能力が低下し転倒リスクはさらに高まります。

そのため、自宅でも無理なく取り組める室内運動を習慣化することが大切です。
当施設でも、天候に関係なくリハビリが継続できるよう、利用者さまに合わせた室内メニューの提案を行っています。

たとえば、椅子に座ったままできる下肢筋力強化の体操やバランス感覚を養う立位訓練など、自宅でも安全に取り組める内容をお伝えしています。
テレビを見ながらでもできる軽い運動は、心身のリズムを整えるのにも役立ちます。

また、雨の日には気分も沈みがちですが、音楽やテレビ、電話での会話などを活用して、気分転換を図ることも大切です。
心が元気でいることは、身体の元気にもつながります。

安全第一で、無理のないリハビリを

理学療法士として私たちが一番に考えているのは、「継続できる環境をつくること」です。
無理をせず、雨の日にはその日の体調や環境を踏まえて、休むという判断も必要です。
しかし、「何もしない」を続けてしまうと、身体は確実に弱っていきます。

通所が難しい日は、オンラインでの運動指導や電話でのフォローなど、サポートの方法は多様化しています。
リハビリは「その日、その人にできる範囲でコツコツ続けること」が何より大切です。

当施設では、季節や天候に応じたリスク管理を取り入れながら、安心してリハビリに取り組めるよう支援しています。
雨の日でも不安なく、動きたい、元気になりたいという思いを応援しています。

まとめ

梅雨の時期は、路面や室内の滑りやすさ、体調の変化など、転倒のリスクが高まる要素が多くあります。
しかし、少しの工夫と意識によって、事故は十分に防ぐことができます。

また、雨だからといって動かないままでいると、筋力やバランス力の低下を招いてしまう恐れもあります。
梅雨の時期こそ、室内でもできる運動や安全なリハビリ方法を活用し、「できることを無理なく続ける」ことが大切です。

ご自宅でのリハビリに不安がある方、天候に左右されないリハビリ環境を求めている方は、ぜひ当施設にご相談ください。
皆さまが安全に、そして元気にこの季節を乗り越えられるよう、私たちが全力でサポートいたします。

池田

執筆者:池田

理学療法士

理学療法士の池田です。
2018年に理学療法士免許を取得し大学を卒業後、回復期病院のリハビリテーション病棟にて勤務。2021年に急性期病院の脳外科病棟にて勤務。2022年に訪問リハビリにて勤務。2025年より脳神経リハビリHL堺にて勤務となります。
回復期病院では、疾患の知識や治療技術の勉強に励み、外部研修に積極的に参加。
急性期病院では、脳外科病棟にて勤務。脳血管疾患のリハビリに従事し、発症間もなくの患者様の回復状況を予測する為の研究に参加。
訪問リハビリでは、日常生活状況に合わせたリハビリや住宅環境の相談など介入。
リハビリでは、本人様にとって安心して出来る日常生活動作を増やして行くと共に、特に歩ける生活を大事にしたいと考えます。よりよい生活が送れるように全力で援助をさせて頂きます。