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もし脳卒中が起きたら?緊急時に知っておくべき対処法

もし脳卒中が起きたら?緊急時に知っておくべき対処法

はじめに

脳卒中は突然発生し、その場で迅速な対応が生死を分けることもあります。
脳卒中が起きた際に適切な対処法を知っているかどうかで、被害の大きさは大きく変わります。
この記事では、脳卒中が発生した時にとるべき具体的な行動や緊急時の対応方法を詳しく解説します。
大切な人の命を守るために、今すぐ身につけておくべき知識をぜひご確認ください。

目次

  • 脳卒中の初期症状を見逃さない
    1-1 片側の麻痺やしびれ
    1-2 言葉が出ない、理解できない
    1-3 視力の急激な変化
  • 緊急時にまず行うべきこと
    2-1 すぐに救急車を呼ぶ
    2-2 症状を詳しく伝える
  • 救急車が到着するまでの対処法
    3-1 安全な場所に移動させる
    3-2 呼吸を確保するための体位
    3-3 安静を保つ
  • もし意識がある場合
    4-1 リラックスさせる
    4-2 話しかけて意識を保つ
  • もし意識がない場合
    5-1 横向きに寝かせる
    5-2 呼吸と脈を確認する
  • 脳卒中後のリハビリとケア
    6-1 初期リハビリの重要性
    6-2 家庭でできるリハビリ
  • 予防のためにできること
    7-1 定期的な健康チェック
    7-2 生活習慣の見直し
  • まとめ

脳卒中の初期症状を見逃さない

1-1 片側の麻痺やしびれ
脳卒中の典型的な初期症状の一つが、体の片側に起こる麻痺やしびれです。
これは、脳の特定の部位への血流が遮断され、その部分が機能不全に陥ることによって引き起こされます。

片側の手足にしびれが現れることは、脳卒中の初期サインとして重要です。
このしびれは突如として現れ、通常の疲労感や一時的な血行不良とは異なります。
例えば、右手や右足が急にしびれて動かしづらくなった場合、または顔の片側が垂れ下がるような感覚があれば、脳卒中の可能性が高いです。
これらの症状が持続する場合や、特定の部位に限られている場合は、速やかに医療機関に連絡しましょう。

1-2 言葉が出ない、理解できない
言語に関する問題も脳卒中の重要なサインです。
これは、脳の言語を司る部分に血流が遮断されることによって引き起こされます。
言語に関する症状には言葉がうまく出ない、話すことが困難になる、言葉が詰まるなどがあります。

また、他人の言葉が理解できなくなる、簡単な指示が理解できなくなるといった理解力の低下も脳卒中のサインです。
普段は普通に話せていた人が突然言葉が出なくなったり、簡単な会話が難しくなったりする場合、脳卒中の可能性を考慮すべきです。

1-3 視力の急激な変化
視力の急激な変化も脳卒中の前兆として重要です。
これは、脳の視覚情報を処理する部分が影響を受けるために起こります。
具体的には視界が突然ぼやける、片目または両目の視力が急激に低下する、視野の一部が見えなくなるといった症状が現れることがあります。

視界のぼやけや視野欠損は、日常生活に大きな支障をきたします。
これらの症状が急激に現れた場合は、脳卒中の前兆として見逃さないことが重要です。

緊急時にまず行うべきこと

2-1 すぐに救急車を呼ぶ
脳卒中の疑いがある場合、すぐに救急車を呼ぶことが最も重要です。
脳卒中は時間との戦いです。
発症から治療開始までの時間が短ければ短いほど回復の可能性が高まります。
脳卒中が疑われる症状が現れた場合、ためらわずに緊急通報を行いましょう。

2-2 症状を詳しく伝える
救急車を呼んだ際には、症状をできるだけ詳しく伝えることが重要です。
具体的には、以下の情報を提供しましょう

  • 症状が始まった時間
  • 現在の症状とその程度
  • 過去の医療歴や現在服用している薬
  • 患者の意識状態(意識があるか、混乱しているか、意識がないか)

これらの情報を提供することで、救急隊や医療機関が適切な対応を迅速に行えるようになります。

救急車が到着するまでの対処法

3-1 安全な場所に移動させる
患者を安全な場所に移動させることが重要です。
転倒やその他の事故を防ぐために、患者を平らで安全な場所に寝かせましょう。
床やソファなど安定した場所が理想的です。

3-2 呼吸を確保するための体位
意識がある場合でもない場合でも、呼吸を確保するための体位を取らせることが重要です。
意識がある場合は患者を仰向けに寝かせ、頭を少し上げて呼吸を楽にします。
意識がない場合は回復体位(横向きに寝かせ、片方の脚を曲げて体を安定させる体位)を取らせることで、気道を確保し、嘔吐物が喉に詰まるのを防ぎます。

3-3 安静を保つ
患者が安静を保つことが重要です。
無理に動かそうとせず、安静にしてもらいましょう。
患者が動揺している場合は、落ち着かせるように努めてください。
安静を保つことで脳への負担を減らし、症状の悪化を防ぐことができます。

もし意識がある場合

4-1 リラックスさせる
患者をリラックスさせることが重要です。
脳卒中の症状が現れると、患者は非常に不安を感じることが多いです。
この不安が症状を悪化させる可能性があるため、できるだけリラックスさせるようにしましょう。
静かに話しかけ、安心させることが大切です。

4-2 話しかけて意識を保つ
患者に話しかけて、意識を保つようにします。
患者が意識を失わないようにするため、話しかけ続けることが重要です。
また、話すことで患者の状態を確認することもできます。
例えば簡単な質問をして反応を確認することで、患者の意識レベルや理解力を把握することができます。

もし意識がない場合

5-1 横向きに寝かせる
意識がない患者は回復体位に寝かせることが重要です。
患者を横向きに寝かせ、片方の脚を曲げて体を安定させます。
この体位を取ることで気道を確保し、嘔吐物が喉に詰まるのを防ぐことができます。

5-2 呼吸と脈を確認する
患者の呼吸と脈を確認することも重要です。
呼吸が止まっている場合や脈が感じられない場合は、心肺蘇生法(CPR)を開始する必要があります。
心肺蘇生法の手順を知っている場合は、すぐに実施しましょう。
知らない場合でも救急隊が到着するまでの間にできることを行い、状況を把握しておくことが大切です。

脳卒中後のリハビリとケア

6-1 初期リハビリの重要性
脳卒中後の初期リハビリは、回復に向けた重要なステップです。
リハビリは、発症後できるだけ早く開始することが推奨されています。
早期リハビリは、筋力や運動機能の回復を促し、後遺症のリスクを減少させる効果があります。

初期リハビリでは、専門の療法士の指導のもとで個別のリハビリプログラムが組まれます。
これには理学療法、作業療法、言語療法などが含まれ、患者の状態や回復度に応じてプログラムが調整されます。

退院後は保険リハビリの利用や最短でよくなるために自費リハビリを利用する方もいます。

6-2 家庭でできるリハビリ
家庭でできるリハビリも重要です。
病院でのリハビリだけでなく、家庭でのリハビリを継続することで、回復を促進することができます。
以下は家庭でできるリハビリの例です。

  • 簡単な運動:ストレッチや軽い筋力トレーニングを行い、筋力と柔軟性を維持します。
  • 手先の訓練:手先の細かい動作を練習するために、ビーズを使った作業や手工芸を行います。
  • 言語練習:発声練習や簡単な会話を行い、言語機能の回復を図ります。

家庭でのリハビリは無理のない範囲で継続することが重要です。
また、リハビリをサポートする家族や介護者の協力も不可欠です。

予防のためにできること

7-1 定期的な健康チェック
定期的な健康チェックは、脳卒中予防に非常に効果的です。
特に、以下の項目を定期的にチェックすることが重要です。

  • 血圧:高血圧は脳卒中の大きなリスク要因となるため、定期的な血圧測定を行い異常があれば早期に対処します。
  • 血糖値:糖尿病も脳卒中のリスクを高めるため、血糖値の管理が重要です。
  • コレステロール値:高コレステロールは動脈硬化を引き起こし、脳卒中のリスクを高めます。

定期的な健康チェックを受け、医師の指導に従って健康管理を行いましょう。

7-2 生活習慣の見直し
生活習慣の見直しも脳卒中予防に大きな役割を果たします。
以下の点に注意して、健康的な生活習慣を心掛けましょう。

  • バランスの取れた食事:栄養バランスの取れた食事を摂り、塩分や脂肪の摂取を控えます。
  • 適度な運動:定期的な運動を行い、体力と健康を維持します。
  • 禁煙:喫煙は脳卒中のリスクを大幅に高めるため、禁煙が推奨されます。
  • 適切なアルコール摂取:過度な飲酒は脳卒中のリスクを高めるため、適量のアルコール摂取を心掛けます。
  • ストレス管理:適度なリラクゼーションを取り入れ、ストレスを溜め込まないようにします。

生活習慣の見直しは一度に全てを変えるのではなく、少しずつ改善を積み重ねていくことが重要です。

まとめ

脳卒中は突然発生しその影響は非常に深刻ですが、早期発見と迅速な対応が被害を最小限に抑える鍵となります。
この記事で紹介した脳卒中の初期症状や緊急時の対処法を理解し、いざという時に冷静に行動できるように備えておくことが重要です。
また、予防のための日常的な健康管理や生活習慣の改善も忘れずに行いましょう。

脳卒中は誰にでも起こりうる疾患です。
自身や家族の健康を守るために、脳卒中に関する知識をしっかりと身につけ万が一の際に適切に対応できるように備えておきましょう。

安原

執筆者:安原

施設長/理学療法士

施設長の安原です。
2019年に理学療法士免許を取得し大学卒業後、回復期病院と訪問リハビリで整形疾患や脳血管疾患を中心に経験し現在に至ります。
回復期病院では疾患の知識、治療技術の勉強(SJF、PNF、筋膜etc)に励み、チームリーダーや副主任を経験。
訪問リハビリでは在宅での日常生活動作を中心に介入しする。
一人ひとりの回復に対して集中して介入したいと思い、2023年9月から脳神経リハビリHL堺に勤務。
希望や悩みに対して寄り添い、目標とするゴールに向けて一緒に歩んでいければと思っています。