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コラム

知っておきたい脳卒中後の生活改善法

知っておきたい脳卒中後の生活改善法

もくじ

  • はじめに
  •  

  • 回復曲線と機能回復
  •  

  • リハビリテーション戦略
  •  

  • 回復の段階
  •  

  • 治療の種類
  •  

  • まとめ

はじめに

脳卒中は脳の血管が閉塞したり破裂したりして、脳に酸素や栄養を供給する血流が阻害される状態を指します。
この状態は、脳細胞に酸素や栄養が供給されなくなることで、神経細胞の死滅を引き起こす可能性があります。
脳卒中後の生活改善法には医療的なアプローチと生活習慣の改善が含まれます。
以下では、脳卒中後の生活改善に役立つように詳しく説明します。

回復曲線と機能回復

行動再構築
脳卒中で障害を受けた部位(手や足など)の動きが徐々に元のパターンに戻る現象です。
完全な回復は稀ですが、何らかの形での回復はほぼ常に達成されます。

代償
患者が新しいアプローチで目標を達成する能力を指します。
神経修復を必要とせず新たな学習を必要とすることがあります。

自然回復
特定の治療法がなくても行動の回復が見られる状態を指します。
多くの脳卒中患者が自然な回復を示し特性的な段階を経て進行します。

リハビリテーション戦略

回復
脳卒中によって失われた特定の機能を直接復元するための運動や活動を含みます。
理学療法、作業療法、言語療法などが使用されます。

代償
新しい状況に適応し新しい方法でタスクを学ぶことを助けます。
以前は両手で行っていた課題を非麻痺側上肢で行うなどが含まれます。

自然回復
他とは違い直接自然な回復を行うことはできませんが良好な栄養、水分補給、早期動員などで内側から回復を行います。

回復の段階

急性期
脳卒中後の最初の数日から数週間は患者の状態が最も不安定であり、症状が最も重篤な段階です。
脳梗塞の場合、薬物療法や血管内治療が行われる可能性があります。
脳出血の場合、手術が必要な場合もあります。
この段階では、脳の損傷が最も進行しており患者はしばしば意識障害や重度の運動障害を経験します。

亜急性期(回復期)
急性期の終わりから脳卒中発症後3~6ヶ月まで。
リハビリが重要で回復の速度が顕著です。
急性期の安定後、数週間から数か月間は患者の症状が安定し、緩やかな改善が見られる段階です。
この段階では初期のリハビリテーションプログラムが開始され、患者の日常生活動作や基本的な運動機能の回復が促進されます。
言語療法や理学療法などの専門的なリハビリテーションが重要です。

慢性期
脳卒中発症後約6ヶ月から。
代償的リハビリテーションや環境への適応が重要です。
数か月から数年後、患者の回復はさらに進行し安定することが期待されます。
ただし完全な回復が困難な場合もあります。
この段階では、リハビリテーションの継続や日常生活動作の自立を促進するための支援が重要です。
心理的なサポートや社会的なサービスも必要に応じて提供されることがあります。

持続期
脳卒中から数年経過すると患者の状態は一般的に安定し、持続期として知られる段階に入ります。
この段階では、患者はその後の生活においてリハビリテーションや生活の適応に焦点を当てることが多いです。
定期的な医療管理や必要に応じてリハビリテーションの継続が推奨されます。

治療の種類

リハビリテーション
脳卒中後のリハビリテーションは、患者が損傷を受けた神経機能を回復し、日常生活の機能を向上させるための継続的なプロセスです。
リハビリテーションは理学療法、作業療法、言語療法などを組み合わせて行われます。
これらのアプローチは、患者の体力や筋力を向上させ日常生活動作の再学習やコミュニケーション能力の向上を支援します。

行動療法
脳卒中後の行動療法は、生活習慣の改善や健康管理を重視します。
これには食事療法、運動療法、ストレス管理、禁煙、アルコールの適量摂取などが含まれます。
食事療法では、高血圧や高コレステロールなどのリスク因子を軽減するために、塩分や脂肪の摂取を制限し果物や野菜、全粒穀物を多く摂取することが推奨されます。
運動療法は徐々に始めて無理のない範囲で適度な運動を行うことで、血流を改善し、筋力を強化することを目指します。

薬物療法
薬物療法は脳卒中後の合併症の管理や再発の予防に役立ちます。
抗血栓薬は血栓形成を防ぎ、脳卒中の再発リスクを低減します。
また高血圧や高コレステロールなどの管理には、それぞれ降圧薬やスタチンなどの薬物が使用されます。
これらの薬物は患者の医師との相談のもとで適切な投与量や使用方法が決定されます。

心理的サポート
脳卒中は身体的な影響だけでなく精神的なストレスや不安も引き起こすことがあります。
そのため、脳卒中後の患者やその家族には、心理的なサポートが重要です。
心理カウンセリングやグループセラピーなどの心理的な支援を受けることで、患者が自分の感情やストレスを理解し、適切に対処することができます。

まとめ

これらの生活改善法は、脳卒中後の患者が健康的な生活を送り、再発リスクを最小限に抑えるのに役立ちます。
しかし、個々の状況や身体的な制約に応じて、治療計画は個別化される必要があります。
脳卒中後の生活改善には患者とその家族が保険サービスや自費サービスの適切な治療法を見つけることが重要です。

安原

執筆者:安原

施設長/理学療法士

施設長の安原です。
2019年に理学療法士免許を取得し大学卒業後、回復期病院と訪問リハビリで整形疾患や脳血管疾患を中心に経験し現在に至ります。
回復期病院では疾患の知識、治療技術の勉強(SJF、PNF、筋膜etc)に励み、チームリーダーや副主任を経験。
訪問リハビリでは在宅での日常生活動作を中心に介入しする。
一人ひとりの回復に対して集中して介入したいと思い、2023年9月から脳神経リハビリHL堺に勤務。
希望や悩みに対して寄り添い、目標とするゴールに向けて一緒に歩んでいければと思っています。